tsuki

生きている中で私を救ってくれた本や人や言葉について、何気なく書いていくブログです。

罪の裏側に目を向けられる人でありたい『流浪の月』

凪良ゆうの『流浪の月』を読んだ。

"第17回本屋大賞受賞"という帯に釣られて購入。

 

 

読了後、まず思ったのは

 

「相手のため」ってなんだろう?

ということ。

普段全くそんなことを考えていない私でも、考えさせられる作品だった。

 

 

まずタイトルでもある「流浪」とは、

当てもなくさまようこと。所定めず、さすらい歩くこと。

らしい。

 

 

人は一人ではいきていけない。

家族、親戚、友人、恋人、仲間。

きっと誰もが大切に思う誰かがいて、

残酷で痛ましい事件が起きれば。

被害者を身近な誰かに当てはめて心を痛める。

 

テレビや新聞で報道される事柄が全てではない。

そんなことは誰もが気付いているはずなのに

忘れてしまっている。

 

「偽善者」という言葉はよく聞くけれど、

実際に自分もその立場になっていることが

多いのかもしれない。

 

悪いことをした時、

犯罪を犯した時、

道を踏み外した時。

 

家族なら、親戚なら、友人なら、恋人なら、仲間なら。

自分の大切な人だったら...どうする?

 

他人なら批判するだけで済むことも

大切な相手になると話は変わるんだよね、きっと。

 

好きとか嫌いという概念を超えた次元の大切な人が間違いを犯したら。

 

 

自分にしか分からない気持ち、

その周りの人しか知らない事実、

決して世間に出ていることだけが

真実ではないし、

きっと多くの人が勘違いをされたまま

生きているんだろうと思う。

 

 

「罪を憎んで人を憎まず」

とは、よく言ったものだなと。

 

罪を犯してしまった人間だとしても、

それがその人の全てではないし、

自分も知らないうちに

そんな人に救われているのかもしれない。

 

 

自分が余裕のない時も、そういう裏側のことを想像できる人でありたいと思った。

 

 

そんな人が増えれば、理不尽に傷つくことなく生きていける人も増えるはずだから。